博士後期課程


地 紗世(Takachi Sayo)

2021年3月 博士後期課程 満期退学
2022年3月 博士(農学)学位取得

2022年4月1日より、明治大学研究知財・戦略機構博士研究員(ポスト・ドクター) 

出身:新潟県
専門:農村社会学
研究キーワード:農村女性の社会参画、農業女子

 
【研究成果】
地紗世「女性農業者の「参加と学習の場」に関する研究 -組織からネットワークへ-」(博士論文)

地紗世・市田知子「女性農業者の社会参画の促進過程の分析 ―長野県X市の事例から―」明治大学農学部研究報告, 70(1): 11-27, 2021-3

地紗世「農業女子プロジェクトに関する実態と評価」農村生活研究, 63(2)通巻159号: 36-48, 日本農村生活学会, 2020年5月

地紗世・大内雅利「長野県農村生活マイスター制度の現状と課題―アンケート調査をもとに―」明治大学農学部研究報告, 69(1): 1-21, 2019-7 

地紗世「女性農業委員の就任経緯と就任後の活動における課題」村落社会研究ジャーナル, 24(1): 1-12, 日本村落研究学会, 2017年10月



菊池 和美(Kikuchi Kazumi)

2019年3月、博士後期課程 満期退学


出身:東京都清瀬市
職業:薬剤師
専門:都市農業、里山と農業
研究キーワード:都市農業、自然環境保全

 東京理科大学の薬学部を卒業後、薬剤師として働きながら、地域で自然保護活動に関わってきました。子育てが一段落した後、早稲田大学法学部大学院に入学し、農業や自然保護に関する法制度を学びました。その後、10年を経てまたもや一念発起し、明治大学にお世話になることになりました。現在も地元、稲城市で都市農業や自然を応援する活動(稲城農業ファンクラブ)を行っています。おかげさまで若い方々に囲まれて、毎日学んだり考えたりと、本当に充実した時間を過ごしています。


【研究成果】

菊池和美「都市の里山開発をめぐる農業者と市民の対立構造」農村生活研究 60(2)通巻153号:39-47, 2017-3 

菊池和美・市田知子「都市における公共用地の確保と農業への影響: 稲城市の梨栽培と土地区画整理事業を事例として」明治大学農学部研究報告 65(2):29-42, 2015-11




小口 広太(Oguchi Kota)

2013年3月、博士後期課程 単位取得退学
2013年4月1日〜2018年3月31日 日本農業経営大学校教員
2018年4月1日より 千葉商科大学人間社会学部専任講師
2021年4月1日より 同上 准教授


2017年3月、博士(農学)学位取得

出身:長野県塩尻市
専門:環境社会学、農村社会学
研究キーワード:有機農業、産消提携、地域自給

 明治学院大学から博士後期課程に編入学しました。研究テーマは、有機農業の地域展開です。その際、有機農業コミュニティだけで独自の世界をつくるのではなく、地域社会からどのように社会的評価を受け、広がっていくのかというプロセスに関心があります。誰が主体となり、そこに誰が参加し、そして誰と誰が関係性を築き、地域内・外でどのようなネットワークをつくり上げているのかなどです。

 実家の耕作放棄地を耕しています。現在ではおよそ2反(20a)の畑に、年間30〜40品目の野菜を育てています。有機農業というよりは、
無施肥で、雑草もほとんど刈らない自然農に近く、緑賑やかな農園です。→おぐち自給農園ブログ

博士論文「有機農業の地域的展開に関する実証的研究−埼玉県比企郡小川町を事例として−」
(2017年1月30日提出)  

【要旨】 日本における有機農業の取り組みは、草の根レベルで地道に社会的な広がりをつくり、有機農業推進法(以下、「推進法」)の成立によって官民一体で有機農業の振興に取り組んでいく体制が整備された。そのなかで最も重要な焦点は、市町村レベルにおける有機農業の推進である。既存研究を整理すると、有機農業が提携を軸にしながら新しい社会経済システムの構築に向けて取り組みを展開している意義と到達点が示される一方で、その実践の舞台である地域ではコンフリクトが生じ、生産の現場を支える提携というシステムもまた大きな岐路に立たされ、課題を抱えていることが明らかとなった。本研究では、そのような成果と課題を踏まえ、埼玉県比企郡小川町における取り組みを事例として取り上げ、有機農業の展開過程とその展開要因、および意義を検討する。以下、要旨全文でお読みください。


【研究成果】
小口広太「地域社会における有機農
業の展開要因に関する一考察 ―埼玉県小川町下里一区を事例として―」有機農業研究, 5(2): 14-25,日本有機農業学会, 2013年

小口広太「埼玉県比企郡小川町における有機農業の展開過程」村落社会研究ジャーナル, 18(2): 36-43, 日本村落研究学会, 2012年4月

ほか


2022年3月27日(日)
 2021年度明治大学大学院博士学位授与式にて、地紗世さんが博士(農学)学位記を授与されました。おめでとうございます。今後のご活躍を期待します。

授与式が行われたアカデミーホール(駿河台校舎)

2017年3月27日(月)
 2016年度明治大学大学院博士学位授与式にて、小口広太さんが博士(農学)学位記を授与されました。おめでとうございます。ますますのご活躍を期待しています。

2015年2月3日(火)
 第六回明治大学連合父母会文学賞の第一部門(倉橋由美子文芸賞)で、菊池和美さんが佳作を受賞されました。作品の「梨下の太陽」は、大正末期の多摩川を舞台に梨農家の生活を描いたものです。おめでとうございます。

明治大学広報(2015年3月1日)の記事


2012年5月29日(火)
 4限の演習の時間を使って、菊池さんのフィールドである稲城市を訪ねました。稲城市は川崎市に隣接し、生田キャンパスからは車で10〜15分の距離にあります。人口は約8万人で現在なお、増加しています。市を東西に横切る多摩川に沿って、昔から梨(多摩川梨)が盛んに作られています。同じ多摩川梨の産地であった府中市や川崎市では数えるほどしか農家が残っていないのに対し、稲城の梨農家は100軒以上にのぼります。その梨農家を束ねる組合長さんのお宅にお邪魔しました。その名も「稲城」という梨は大ぶりで、最盛期の8月中下旬には軒先販売と宅配ですぐ売れ切れてしまうそうです。見かけは長十郎系の赤梨だが、食べるとシャキシャキしているとのこと、なかなか手に入りにくいようですが、一度、食べてみたいです。
  市唯一の酪農家である大塚牧場、広大な山林をゴルフ場やキャンプ場に貸す一方で、長年、野菜や梅を作り続けている農家の方、定年退職後、傾斜地を観光用のみかん園にしている方も訪ね、都市ならではの農業の存在意義や難しさを感じました。(2012年6月7日記)


ちょうど摘果を終えたところ。「稲城」は日照に強いという。