5期生(2010年度入室)
□荒木 真実 
 乾  佳太 
 押鴨 俊也 
□鹿毛 真如 
*金子 雄喜 
君野 健太
粉川 祥子
*小島 賢人
 斉藤 俊広 
佐藤 順 
 田辺 陽平
  ○田谷 久美子 
 角津 康介
※春山 竜一 
☆古田 良輔
 横江 泉帆 


☆・・・ゼミ長
  *・・・副ゼミ長
○・・・連絡担当
□・・・会計
※・・・食事係


2012年3月26日(月)
 桜の開花にはほど遠いものの、穏やかな春らしい陽気のもとで卒業の
日を迎えました。午前中から武道館で卒業式、その後、駿河台校舎で
学位記授与式、記念撮影と、無事、終えることができ、震災ですべてが
取りやめになった昨年の情景が頭をよぎりました。
 卒業論文集は351頁もの大部になりました。震災からちょうど1年が過
ぎましたが、復興までの道のりはいまだに遠い状況です。下記のように
何人かの卒論では、被災地の復興、再生可能エネルギーの利用普及、
循環型社会の形成など、それぞれに大きな影響を与えていることがわか
ります。卒論を通じて考えたことをこれから何らかの形で活かしてもらいた
いと願っています。

             2011年度卒業論文集目次
 荒木 真実         美人とは何か
 乾  佳太   日本におけるグリーン・ツーリズムの実態と可能性   
 押鴨 俊也   福島原子力発電所事故と被害地域における除染・
農林水産復興モデル                 
 鹿毛 真如   アンテナショップと地域のかかわり
 金子 雄喜   TPPと日本 
 君野 健太   エネルギーの地産地消―檮原町の事例から考える―
 粉川 祥子   日本農業の活性化を考える―国産農産物の消費を増やすために―
 小島 賢人   ブラックバス問題とは何か  
 斉藤 俊広   地方における第三セクターの現状と今後 
 田辺 陽平   原子力発電から次世代エネルギーへ 
 田谷 久美子   規格外農産物のビジネス
 角津 康介   食肉の安全性問題と消費者 
 春山 竜一   捕鯨問題を考える 
 古田 良輔   農業とコラボした取り組み 
 横江 泉帆   十和田市の農業と農業政策 
 
 16人もの大所帯で、互いに切磋琢磨した経験は何ものにも代え難いと
思います。これからもみんなで励まし合って生きていきましょう!元気で!
また会いましょう!(4月5日記) 


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2011年7月20日(水)
 6月から7月にかけて内々定の知らせが次々と舞い込んできました。
昨年に増して厳しいと言われるだけあって、大学、学部ともに内定率は
昨年の同時期を大幅に下回っています。決まっていない人、まだまだ
チャンスはあるので頑張りましょう!
 この日は、就活が一段落した4年生数名に、3年生のゼミで茂木調査
の話をしてもらいました。話してくれたメンバーの他、計9名が今年も調
査実習に参加します。ここのところ関東地方も雨模様ですが、調査期間
の8月2日から5日は晴れるとのこと。楽しみです。(7月31日記)



12月30日(木)
 今年も残すところあと1日半。さきほど、HP作成ソフトをようやくWindows 7対応
に切り替えました。近況をまとめて報告します。


12月22(水)~23日(木)
 山中湖畔のセミナーハウスでゼミ合宿をしました。15時頃からセミナー室で
今、話題のマイケル・サンデルの正議論をヒントに、「少年法は必要か?」、
「諫早湾干拓事業開門の是非」について、discussionを試みました。同氏の
政治哲学講義録でもある邦訳版『これからの「正義」の話をしよう』12頁に
よると、正義に対する考え方、つまり正義を構成する意味には「幸福」、「自由」、
「美徳」の三つがあり、立場や価値観によってどれを重視するかが分かれ、
それが紛争のもとにもなります。たとえば、「暴走する路面電車」の例で一人が
犠牲になって五人を救うのは「最大多数の最大幸福」を唱えたベンサムの
功利主義に発する「幸福」重視論、ハリケーンのあとの便乗値上げに賛成す
るのは自由至上主義、いずれの場合も「一部の人々が残りの人々を犠牲にして
幸福もしくは自由になるのは間違っている」という「美徳」重視論者が反論します。
サンデル教授によれば、「美徳」論は直感的に支持されやすいとのこと。
「人としてどーよ?!」という感じでしょうか?
 現行の少年法では、14歳未満の犯罪者は特別扱いされていますが、殺人の
再犯率が5割を超えることから、廃止を唱える意見もあります。また諫早湾干拓事業
に関しては、ごく最近、生態系の変化(とくに漁業への影響)を実証するための開門の
判決が福岡地裁で出たところですが、干拓地では2008年から農業が営まれており、
また調整池にたまったアオコの外海への流出が悪影響を及ぼすのではないかという
懸念もあり、ここに来てまた賛否が分かれています。両方とも結論は出ませんでしたが、
場所を変えたこともあり、いつものゼミ以上に盛り上がりました。

 翌23日(木)午前中は、NPO法人富士山ネイチャークラブを訪ね、NPO法人と
しての成り立ちや活動状況についてお話をうかがいました。この日は門松作りの
講習会のために、会員の方々(全部で14名)が竹を切ったり藁を巻いたりして
準備をしていらっしゃいました。 その後、近くの村有林を1時間ほど案内していた
だき、リフレッシュしました。ここはハリモミ純林といい、ハリモミという針葉樹に注目
した英国人が名付けたそうです。鋭い針のような葉の付け根に、越冬のための小さな
芽が出ています。長年、保全されてきた森林ですが、雷や強風の影響でずいぶん
倒木していて、所々、植林もなされています。しかし、10年かけても1mにもならない
ほど成長が遅く、森林は農地以上に長期的な視点で考えなければならないことを
実感しました。

花の都公園(山中湖村)にて

12月20日(月)
 新ゼミ生の歓迎会をしました。6期生となる我らが新メンバーは総勢
14名、女子は2名、スポーツ、アニメ、音楽、ダンスと、趣味も多彩です。
新風を巻き起こしてもらいたいものです。
(以上、12月30日16時記)

11月19(金)~21日(日)
 今年も生明祭で茂木産の農産物を売りました。今年のコンセプトは
「八百屋」、店名は「市田ベジタブル知子」です。初日は焼き芋と、9月に
刈り取りに行ったコシヒカリ3kg袋の販売、2日目は上後郷むらづくり
協議会のみなさんとともに、さらにねぎ、大根、さといも、しいたけ、ゆず
なども売りました。3日目の午後早い時間帯に完売。よく売れましたねー。
生明祭での出店は今年で4回目、茂木のみなさんとは3回目となり、
おかげさまで何とか形になってきました。来年もよりよい出店を目指して
取り組みたいと思います。OB、OGのみなさんもまた来てくださいね。
(12月2日記)

10月20日(水)
 ワタミファーム山武農場に行ってきました。6月末に訪ねた藤沢の相原
さんの経営は、個人農家による産消提携、いわば日本の有機農業運動
本来のスタイルをとっていますが、近年では食品流通業を中心に企業の
直営農場での有機農産物生産も盛んになってきています。その手始めに
居酒屋チェーン和民の直営農場に注目し、その中心的な農場である山武
農場を訪ねてみました。
 山武農場は千葉県山武市、JR八街駅からタクシーで15分くらいの所に
あります。ログハウス風の事務所の前で農場長の森さんに迎えられ、
2時間ほど説明をうかがったあと、畑も案内していただきました。居酒屋和民が
なぜ有機農産物にこだわっているのかと言えば、現社長の渡邉美樹氏が
1985年頃、冷凍食品、輸入食品で安くあげるという従来の居酒屋の経営方針に
疑問をもったことに始まります。その後、自社農場開設までには15年余を費や
します。2001年に有機農産物の規格、いわゆる有機JASが施行されますが、
山武農場はその翌年の2002年に開設されます。以来、毎年、認定機関によ
る検査を受け、販売する野菜や店舗のメニューにも有機JASマークを表示して
います。また、山武市という土地はお隣の富里市などと比べて起伏があり、
大規模で効率のよい畑作には向かないこともあって、農協を中心に有機農業へ
の取り組みが進んでいました。そこに和民が参入して、地元の有機農家から土
地を借り、栽培指導を受けながら、ようやく自社農場生産を実現しました。
農場開設から8年目の現在、畑の面積は10haまで拡大しています。有機JASと
いう制度的な要因に山武市という土地条件が重なったといえるでしょう。
 ワタミファームは現在、全国に9カ所ほどありますが、そこで生産される農産物が
居酒屋その他に使用される割合は全体の1割程度(約800t)、契約農家で生産
された農産物と併せて4割程度が有機JASあるいはそれに準じた基準で作られて
いるとのことです。農場長の森さんは、「近隣の農家はますます高齢化し、農地が
放棄されている。農場をもっと拡大して生産量を伸ばさなければ」と強い意欲を
見せていました(10月24日記)。
←約1haのにんじん畑の前で説明をする農場長の森さん。雑草がほとんどないのが印象的でした。


9月5日(日)
 9月に入っても猛暑日が続きます。茂木町上後郷の吉河好男さんの
田んぼで稲刈りを体験しました。好男さん宅の田んぼは公民館のすぐ
上にあり、4段ほどの棚田になっています。すでに5時から作業をして
いるというご家族に10時半ごろ交じって主に「おだかけ」という、刈り
取った稲の束を長い竿に掛ける作業を手伝いました。バインダーも
一列だけ操作させていただきました。おだかけは2週間とのこと。
昨日の大雨の影響がなかったのか少し心配ですが、美味しいお米に
なるのが待ち遠しいです。(9月9月記)
←生明祭で売る大事なお米です。品種はコシヒカリ、農薬は田植え直前に育苗箱にいもち病予防の薬を撒くのと、8月初めにラジコンヘリで撒くのと計2回です。

                         
→ おだかけをするための杭を打つ。晴天続きのため地面がカラカラで堅い。

 

←好男さんファミリーと一緒に。ふだんは宇都宮にいる姪御さんの家族もいらしていました。


8月2(月)~5日(木) 
今年も茂木に行ってきました。全日程、廃校を宿泊施設とした
「ふるさと村NAGOMI」を拠点として、2日目には同じ木幡地区
の集落点検ワークショップを行いました。木幡地区は昨年までの
上後郷と異なり町の南部に位置します。全部で150世帯近くあり、
小山、木幡、天子、北高岡の4つの集落に分かれています。
平坦な田んぼや畑(一部、施設イチゴ)がありますが、それでも
山間の方に行くと棚田や耕作放棄地が目立ちます。どこの班でも
耕作放棄地をどう利用するかが話題になったようで、葛フジを
燃料化するというアイデアを出した班もありました。
 3日目は、上後郷の酪農場跡地で、ソバの種まき、草取りなどを
お手伝いしたあと、11月の生明祭に向けて販売する野菜の種類、
量などについて、小林会長をはじめとする上後郷むらづくり協議会の
方々と話し合いをしました。生明祭での直売は今回で3回目、今年は
売上アップとともに茂木や上後郷の宣伝も実現したいところです
古口町長の日記「町長の部屋」を参照)。
 初日の美土里館、入郷石畑の棚田にはじまり、最終日のブルーベリー
つみ取り、ソバ打ち体験まで、3年生にとってはいずれも新鮮で、驚きの
連続だったようです。また、2日目の晩には木幡地区の7軒ほどのお宅
に民泊させていただきました。これら貴重な体験を糧にして、後期のゼミ
に活かしていきたいと思います。
(8月22日記)

ふるさと村NAGOMI(旧木幡小学校)にて

7月20日(火)
 昨年に続き、学習院女子大学国際コミュニケーション学科荘林ゼミとの
合同ゼミを行いました。今回は3年生6名、4年生2名、そして途中から
この日、仕事が休みの3期生川合君も参加しました。荘林ゼミ側は3年生、
4年生を含め総勢30名以上が迎えてくださいました。今回は、まず荘林
先生から、農業環境政策と農業者のインセンテイブについて、また昨年に
続き排出権取引の農業分野での適用について、講義をしていただき、
当ゼミ生にとってはあまり聴き慣れない内容ではあったものの、大いに
刺激を受けました。続いて、私からゼミの活動や自分自身の関心につい
て簡単に紹介したあと、4年、3年それぞれ、今回は資料も用意して報告を
しました。4年生からは他ゼミのメンバーとも行っている41products
(向ヶ丘遊園駅前商店街の活性化)について、また3年生からは、相原さんの
有機農業経営についてです。学内を含め他のゼミで報告することは初めてと
いうこともあり、みな緊張していましたが、いい経験になったと思います。
 大学や学科の性格上、荘林ゼミは経済学などの座学を中心としている
のに対し、当ゼミは座学もありますが、実習を柱に据えています。それぞれ
によしあしがあると思いますが、来年度、もし可能であれば、共通のテーマ
について事前準備の上、議論するなど、ヴァージョンアップしていきたいもの
です。荘林先生、ゼミ生のみなさん、今回もお騒がせしました。どうもあり
がとうございました。(8月14日記)

←今年も正門前で記念写真をパチリ。「恥ずかしいよ~」の声もあり。まさにおのぼりさんですね。
                         → 41Productsの活動についての報告。ほぼ3ヶ月に1回開催される「ナイトバザール」では、地元川崎市の農家が作ったカボチャなどの野菜を使ったカレーもふるまいます。荘林先生は、わらび餅にことのほか思い入れがあるようで、次回の合同ゼミでは「わらび餅対決」があるかもしれません。

 
                       

← ゼミ終了後、またまた記念撮影。「もっと勉強しなくちゃ!」という気持を新たにしました。


6月30日(水)
 梅雨の最中、藤沢市の相原農場を訪ねました。ゼミで訪れるのは3年ぶ
りです(→3年前の記録)。相原さんは大卒後すぐ就農し、以来、約20年間
有機農業に取り組んでいます。「有機農業は土づくりから」とよく言われますが、
その土づくりも千差万別です。相原さんの所ではまず庭木の剪定枝に畑や田
んぼから出た雑草を「戻し堆肥」を含めて混ぜて発酵させ、堆肥を作ります。
畑の元肥は主にこの堆肥ですが、この堆肥に飼っている豚、山羊、羊の糞尿を
混ぜたもの(ボカシ)も元肥、追肥に使っています。「米ぬか農法は、必ずしも
有機ではない米ぬかを外から買ってこなければならないので、しない」、「家畜
の飼養頭数は、あくまでも飼料を自給できる範囲まで」などのお話をうかがいな
がら、資源循環という有機農業の基本が貫かれているのを感じました。様々な
経緯から有機農業での新規就農を希望している方々ともご一緒し、農業の懐の
深さを感じました。
 3年生16名、4年生4名、大学院生7名、総勢28名という大人数で押しかけ、
お騒がせしましたが、それぞれに強い印象を残した訪問でした。(7月9日記)
←堆肥置き場で相原さんの説明に耳を傾ける。いつもにも増して真面目ですね。
                           → 
数週間前に田植えをした田んぼの草取りをする相原さん。稲と見分けがつきにくヒエや浮き草を両手で素早く取っていらっしゃいましたが、「しばらく続けると腰にくるんですよね・・・」と。除草剤を使う前はみんなこんな作業をしていたのですね。
 


5月26日(水)
 外は雨。そろそろ入梅でしょうか?さきほどゼミが終わりました。今日で6回目。
『むらの資源を考える』を丁寧に読んでいます。毎回、報告者、司会者、さらに代表
質問者を決め、一報告あたり1時間のペースです。
 先週の後半は、サブテキストの一つとして取り上げた和辻哲郎『風土』について、
K君が報告しました。以前、読んだ時には全く気にしないで読み飛ばしていたので
すが、この本はハイデッガーの批判から始まっています。ハイデッガーが時間概念
によって自己の存在を説明するのに対し(平たく言うと「自分の根拠は未来の自分
である」ということ)、和辻は空間概念によって説明しようとしています。空間は風土
によって規定されるので、すなわち自己は風土によって規定されるということに
なります。K君の「ハイデッガーの「寒さの中に自分が出ている」って何ですか?」と
いう質問に対しては、私なりに時間概念で説明できると解釈しました。つまり
「暑くない」→「暑い」、「寒くない」→「寒い」という方向性(ベクトル)があるという点では、
時間と同じ。過去から現在、現在から未来へと移行することによって、人は自己を
強烈に意識し、自覚することになるのだと。『存在と時間』で展開される被投性Entwurf
や現存在Daseinの認識に通じるのでしょう。学生時代のゼミには実習も調査もなく、
ひたすら本と議論だったので、ハイデッガーについても聞きかじっていましたが、『存在と
時間』を読もうと思い立って手にとったのはそれからずっとあとのことです。きっかけは
具体的には憶えていませんが、ちょっとした閉塞感があったのだと思います。ここでまた
触れる機会があり、何か古い友達に久々に会ったような気分になりました。 

4月14日(水)~
 今年は水曜の4限と5限がゼミの時間です。前期は以下のテキストを輪読します。
 
 4月14日、第1回ゼミの後にさっそく
ゼミ室で鍋を囲みました。5期生もなかなか
個性派揃いです。

メイン・テキスト:日本村落研究学会編 池上甲一責任編集『むらの資源を研究する
―フィールドからの発想―』
 農山漁村文化協会、2007年(例年通り)
 
サブ・テキスト(グループ毎):
 和辻哲郎『風土 人間学的考察』岩波文庫(初版は1935年)
 


11月19(金)~21日(日)生明祭の「市田ベジタブル知子」

 完売御礼、ありがとうございました。
(last updated Dec..6, 2010)

8月2(月)~5日(木)フィールド調査実習(茂木町木幡地区を中心に)
 今年も盛りだくさんでした。
(last updated Sep..4, 2010)